島田刀根夫句集『白秋』(青発行所)

『白秋』は、島田刀根夫さんの第一句集。1980年11月、青発行所発行。「青叢書」の第五集に当たる。

 

波多野爽波による序文に、虚子一行が爽波の下宿先を突然訪れて、花菜会の面々と急遽句会を行ったエピソードが書かれていて興味深い。

 

籐椅子を豪雨の玻璃にひき寄せて

洗ふべく箱の苺をくつがへす

石ころが影もつてゐる冬至かな

この家の屋根複雜や梅雨の月

サフランや庭は煙草を吸ふところ

しかるべきところに鼬冬木立

きのふけふ椿浮きゐて簗場かな